100回目のお見合い

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「ほう。それで、お見合いを99回も。」 奏は、ニコッと微笑んだ。 小夜子は、息を飲みこんだ。 「ええ。この地味な見た目が祟ってか、今までお付き合うまで行った事はなくて……」 「そりゃあ、そうでしょうね。皆、お金持ちの方ばっかりですから。」 小夜子は、ガーンと頭を殴られた気がした。 「い、一体あなた何なんですか!そりゃあ、私は見た目も良くないですけど、だからってそこまで言わなくても、いいじゃないですか!」 「おっと、これは失礼。」 そう言って相手は、一枚の資料を取り出した。 大島 小夜子 28歳 和菓子屋の一人娘。 ここ1年で、見合いに99回失敗している。
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