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俺はショックを受けつつも、自分の身体を、鏡でしみじみ見てしまった。でも、服を着ていたので、中はどうなっているのかと、ボタンを外して、中も見てみた。
この紅葉のような手の指は、動きはするが力が弱い。身体を見てみると、怪我の跡などもなく、綺麗になっているが、大きさに問題があった。それに、立てない。立とうとすると不安定で、尻もちをつく。ベッドに捕まって下に降りようとすると、看護士がきて元に戻されてしまった。
「親御さんが見つからないのが不思議ですね。事故で亡くなってしまったのでしょうか?」
看護士は、俺の服も元通りにすると、にっこり笑って去っていった。
「俺の両親は、かなり昔に死んでいるけど……」
看護士が心配する気も分かる。俺も、鏡に映った姿に心配してしまう。
「この子、どうやって育てるの?」
鏡に映っているのは自分らしいが、どう見ても自分ではない。俺は、子供が二人いるが、それよりも小さい。
「ボクが育てようとしたのですけどね、却下されています。まず、夏目さんの身元を調べないといけないようで……」
身元ならば自分で言えるが、問題は信じて貰えるかどうかだろう。妻に電話しようとしたが、この姿を見たら腰を抜かしてしまいそうだ。
「妻に連絡するかな……」
「それは、もうしたのですが、これが夏目さんならば、少し考えさせて欲しいと言っていました」
冷たいようにも聞こえるが、妻の気持ちも少しは分かる。やっと子供の手が離れて、看護士として復帰できた所だった、又、面倒な存在を持ちたくはないだろう。
「俺には妹がいて、連絡してみるかな……」
「そちらにも連絡したのですが、引き取りたいのだけど、体調を崩していてすぐに行けないと泣いていました」
俺の妹は、俺が目に薬物の影響が出たのに対し、姿に出ていた。妹は身長ニメートルを越え、現在も伸び続けていた。既に普通に立ち上がる事も困難で、杖を使用しなければ歩けない。妹は全身に痛みを持っていて、酷い時には全身が麻痺していた。
「そうか、それは俺の方がお見舞いにいかないとね……」
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