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まず外に出たらパンツを購入したい。紙おむつでは、屈辱的すぎる。俺が、そのまま廊下に出ようとすると、看護士が近付いてきたのでドアに隠れた。見つかると、やっとここまで来たのに、又、ベッドに戻されてしまいそうだ。
隠れながら廊下を移動しようとしたが、どこがナースセンターなのか分からなかった。
「澤田、ナースセンターはどこ?」
「……一緒に行って、手続きしますよ」
澤田が俺の背を摘まんで、ネコのように持つと、歩き始めた。でも、人がこっちを見て、ヒソヒソと話し込んでいた。次に看護士がくると、澤田から俺を奪い取っていた。
「虐待ですか?ちゃんと抱えてあげてください」
ちゃんと持ってくれるのはいいが、位置が胸なので、中身おじさんの俺は困る。必死に逃げようとしていると、医者もやってきていた。
「あの、退院でいいですね……入院費を支払ってきます」
「検査の結果に問題はありませんけどね」
あれこれ医者が言おうとすると、澤田が遮っていた。
「私も医者ですから、大丈夫ですよ」
澤田の言葉に医者が引いてくれたが、俺はどうも引っ掛かる。澤田が医者の免許を持っているというのは分かる、でも、俺の持ち方には問題があるだろう。医者は医療の勉強ばかりで、扱い方は学ばないのだろうか。
澤田は看護士から俺を受け取ると、習った通りに俺を抱えてくれた。
「これ、労災でおりるかな……」
勤務中の事故であったが、問題はふらっと捜査に行ってしまった事だ。
「私が支払いますよ。自分の入院費の支払いと混ぜて、会社に請求しておきます」
澤田も爆破や、細菌があったので、検査入院していたらしい。
「助かる……」
澤田はそのまま俺を抱えて移動すると、支払いや退院手続きを済ませてくれた。
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