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「私は、はてたって、さすがに、こすりつけるだけでいくのは難しいな」
奥村さんが動きを止めた。
「今日はここまでだ、ちょうど25分ほど経っているはずだ」
深いため息をついた。
「これは、俺の方が過酷かもしれない。お前、すげーいい匂いする。やばい」
奥村さんは、自分の服を持って部屋から出て行った。
深呼吸した。
今日は、最後まではなかった。次だろうか。
わたしの胸に触れた手は、奥村さんの物でもあり教授の物でもあった。
教授は、こんな風にして、奥さんに触れたのだ。わたしとそう年の変わらない奥さんに。
奥村さんがメジャーを持っている。
「Tシャツの上からで許してやろうか」
今からサイズを測られるのかもしれない。
椅子からおり、背筋をただすように言われた。
上から順に測られる。
「胸が少しありすぎるが、理想的なプロポーションだな」
今度こそ終わったかもしれない。奥村さんから小さな錠剤を渡された。
「ピルだ。毎晩渡すから飲むように」
「ピルですか……」
「効果があらわれる一週間後まで、挿入なしだ」
一瞬、良かったと思った。だが、その後はあるということだ。
「教授と奥さんの営みの記録は5年分。明日からは、三回分ずつこなしてもらう。それでも、一週間はいれずに終わる。奥手と言うか淡白というか。一回一回もあっさりしたもんだ」
奥村さんから水の入ったグラスを渡された。わたしも、奥村さんの子どもは望んでいない。ピルを飲めば、安心はできる。
「さあ、寝よう。教授に一緒の布団で寝て、より再現率を高めるように言われているからな。着替えは、朝に取りに行くから、少し早めに起きよう」
奥村さんの言うように、受け入れていくのが一番楽だと思った。
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