旅の終わりの森

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 ゼットンはウォルターの死をにわかには受け入れられず、再び冒険者たちの集まる酒場に行き、聞き込みをした。しかし、出てくるのは悪い情報ばかりであった。 「東の森か…。あそこなら仕方ないな」 「ああ、あの森は特別だから…」  冒険者たちは東の森の話になると、決まって暗い顔になって言葉を濁した。どうやら、東の森は冒険者たちにとって、よほど危険な場所として知られているようだった。 「どんな優秀な冒険者でも、あそこは抜けられないんだ。南の国の北の国の冒険者も皆あそこで死んでいったよ」 「一体、何がそんなに危険なんだ?」 「色々な噂が立っているよ。危険な虎がいるとか、凶悪な山賊の根城があるとか、底なし沼があるとか…」 「実際に行ったことがある者はいないのか?」 「さあね。とにかくあそこは冒険者なら誰でも避ける場所さ。彼らもわざわざそんな危険な道を選ばなくとも、遠くても確実な迂回ルートを選ぶべきだったんだ…」  そして、話を聞いていた冒険者の一人がつぶやくように言った。 「あそこは、“旅の終わりの森”と言われているんだ。誰が出かけても二度と帰れない、冒険者にとっての墓場のような場所さ」
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