旅の終わりの森

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 とはいえ、旅慣れした彼でも、さすがに冒険者たちが苦労して向かうような場所に簡単に辿りつけるとは思っていなかった。そこで、様々な冒険者ギルドを尋ね、旅路をサポートしてくれる者を探した。  しかし、どこに行っても門前払いされるばかりで、同行者は一向に現れなかった。 「おっさん、さすがにそれは無理だよ」 「俺たちでも難しい場所なんだ。素人が行けるわけないだろう」  冒険者たちは冷笑し、愚かな挑戦だと馬鹿にするだけだった。それでもゼットンは諦めず、各地の町を訪れ、地道に仲間を探し続けた。  そして、ついにとある港町のギルドで同行者となってくれる者が見つかった。それは若い女性の冒険者で、名前はミレイユといった。 「私も都市のギルドにいたとき、ウォルターさんに会ったことがあるんです。彼は優しくて勇敢な冒険者でした。彼のためなら私も協力しましょう」  彼女はゼットンの話を聞き終えると、真剣な目をしてそう言った。それを聞いたゼットンは喜び、何度も頭を下げ礼を言った。ミレイユは謙遜して笑っていたが、ふと不安げな表情になり、小さな声で尋ねた。 「ただ、一つだけご相談が…」 「なんでしょうか?」 「あの森は冒険者にとって禁忌の場所と言われています。情けないのですが、あそこに入るのはどうしても怖くて…」 「構いませんよ。森には一人で入ります。そこまで連れて行ってくれれば十分です」  かくして、ミレイユに森の入口まで同行してもらうことが決まり、二人は翌日から旅の準備を始めた。
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