夢って……

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夢って……

そもそも、私には夢がない。 とりたてて夢中になれるものもない。 将来どうしていいか分からなかったから、親の勧める大学を受験した。 受験に失敗して、初めてまともに考えた。 私は本当に大学に行きたかったのか? 就職するならどんな仕事につきたいのか。 そんなときネットで見つけたのが、このリゾートバイトの求人だった。 「短期OK! 北の大地でリゾートバイト!」 これだ、と思った。 なんでもいいから、まずはアルバイトをやってみよう。 遠くに行けば、何か変われるしれない。 「大丈夫なの? あやしい仕事じゃないの?」 渋る母を説得した。 「とりあえず百日。百日がんばったら帰るから」 アルバイトは大変だった。 朝五時半から朝食の配膳の準備をして、昼間に休憩をはさみ、夕方四時半から夕食の準備をはじめる。 後片づけを終えるまで、夜十一時頃までかかることもあった。 私はレストランホールの担当だったが、フロント、客室清掃、キッチン等の仕事も、それぞれに大変そうだ。 社是、挨拶、トレイの持ち方から習い、少しずつアルバイトに慣れてきた頃、私は失敗をしでかしたのだった。
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