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俺の世界は、終わらなかった。
桃太郎に斬り殺された俺は、再びあの漁村で石をぶつけられる場面に戻っていたのである。
俺は絶望した。カミサマはなぜ、こんな苦行を俺に課すのかと思った。しかし、心のどこかでもう俺は、自分がこの世界に転生した本当の理由に気づいていたのかもしれない。
俺が前世でしてきたことは、それほどまでに大きな罪であったのだと。
人生一度だけでは、けして償いきれぬ罪であったのだと。――俺は殺した人の“心”は、それほどまでの数に及んでいたのかもしれないと。
シナリオが変わることはない。
しかし、訪れる桃太郎の容姿と性格は前とは違っているらしい。二人目の桃太郎は怠惰だった。犬、猿、雉に戦わせるだけ戦わせて、自分は何もしようとはしなかったのだ。
俺は犬に首を噛まれて、絶命した。
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