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脱出計画
「なあ、考えてくれたか、あの話」
「え？ 有刺鉄線の向こうに行く話でしょ？嫌よ」
「はぁ？ 何言ってんだよ、このままじゃ、俺たち出荷されて、食われちまうんだよ！」
ヒロは、必死の形相で訴え掛けてきた。
「だって。ここにいれば、オオカミも襲ってこないし、エサだって食べれるもん」
「バカっ！ 昨日も見ただろ？ アリー達がトラックに乗せられて、有刺鉄線から出されるのを！ どうなるか、知ってるだろ！」
唾を飛ばして言われるのが、ちょっと嫌だった。
「知ってるよ、お引っ越しするだけだって。ピーターが言ってたもん」
「バカたれーっ！ 目を覚ませって！」
ドカッ
「いたーい！」
ヒロが、またもや体当たりを食らわせてきた。
「何するのよー！！」
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