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自分の前世と向き合う
「切腹は、腹を切ることだって。名誉の自殺だよ。斬首は、死刑ってこと」
「は!? マジで!? 江戸時代、恐すぎ!」
エリリカは、本当にびっくりした顔で驚いた。
「……お前が知らなさすぎだよ」
そこで、サエモンの前世は終わっていたという。
エリリカの興味は、既にそれを見たサエモンの反応に移っていた。
「で、どう思ったの、サエモン君は」
なぜか、エリリカはにんまりとしながらサエモンに聞いた。
「どうって。無念だったのかなって思ったけど。その当時は、致し方ないことなんだなって」
サエモンの場合の審査は、そのことに耐えられるかどうかという覚悟の確認だったという。
「そうなんだ……。でも、私が最初に見た時のヒロって、自由を求めていた時のサエモンと同じだっただと思うよ」
「そうか。俺の前世に、エリリカみたいな女の子がいてくれたら、脱藩を成功させて、歴史に名を遺すような人物になったのかもしれないな」
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