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そして二人で
「ねえ、サエモン。この続き書こうよ」
エリリカは、おもむろに絵本を取り出した。
同時に、描画道具も持ってきていた。
「……お前、準備良すぎるな。っていうか、最初から俺に描かせるつもりだっただろ」
サエモンが、目を細めた。
エリリカは、ぺろりと舌を出した。
「あは。バレた? ねえ、このままハッピーエンドにするには、どうすればいいと思う?」
エリリカが唐突に言うので、サエモンは顎に手をやって、しばらく考え込んでいた。
「うーん。あとわずかだからね」
「私、一生懸命頑張って考えたけど、どうしても思い浮かばなくて」
「しょうがないな。二人で考えよう」
いつしか、二人は隣り合って一つの絵本を二人で見つめていた。
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