夢の中で、私はフミ羊

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夢の中で、私はフミ羊

******* - あれ? ここは、どこ? エリリカの目の前には、絵本で見た光景が広がっていた。 (まさか、絵本の続き? それとも、夢に絵本が出てきたの?) ツンツン 誰かが、エリリカの尻を突っついた。 (誰よ、エッチ!)  振り向くと、全身もふもふの羊が、お尻の匂いを嗅いでいた。 「メェ~! メェメェ」 言葉を発したつもりが、なぜか、メェしか言えなかった。 (てか私、羊になってる!)  尻をツンツンした羊は、牡羊らしい。 「なあ、あの話、決心ついた?」 「しゃ、しゃべった!」 「あ? 羊が、羊語しゃべっちゃおかしいかよ?」 「そう言われてみればそうね。で、あの話って?」 「ここから逃げることだよ。早くしないと、オレたちには時間がないんだ」  牡羊は、当然のことだと言わんばかりにエリリカに迫った。 「あなたは……?」 「ヒロだよ、ヒロ! 本当は、16番だけど、オレは勝手にヒロって呼んでるって、前にも言ったろ?」 「じゃあ、私は?」 「フミだよ、フミ! 23番だろ? だから、フミだ!」  エリリカは、ヒロと名乗った牡羊に、フミと呼ばれた。
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