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絵里の通っていた小中学校も高校も普通の県立だったのだけれども、成績によってクラス分けするスタイルを取っていた。
通常学年が変わる時にクラス替えをするのだが、期の途中でも成績に差が出てくると学力に見合った授業内容を行う為に緊急特別クラス替えが行われたのである。
そんな学生時代を過ごした絵里が高校を卒業し、家でゴロゴロしていても「大丈夫なのか?」「少しは働かないのか」等、両親に一度たりとも言われた事が無い。
ただただ優しく絵里を見守っている体である。
何も言われなさすぎて逆に不安になった絵里の方から「正式ニートになって今より多くの収入を得られえるようになったら毎月10万円を生活費として家に入れる。それまでの見習期間は、今月から5万円を家にいれる!」と約束し、それを聞いた両親は大粒の涙を流して感涙した。
あの時。母親は感涙しながら「絵里!こんなに立派に正しく成長して!こんなに嬉しい事はありません!あなたを育てる事が出来て、私は感謝しかないのです!」と言ったのだ。絵里はその母親の言葉が今でも忘れられない。
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