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小学校、中学校と、友達とはあまり遊ばなかった絵里。
それには誰にも言えない理由があった。
10才の頃から密かに見習いニートとなっていた絵里。彼女から見ると、クラスの友達の言動が幼稚過ぎて相手に出来なかったと言うのが正直な所。特に男子は恐ろしく幼稚で、絵里の眼にクラスの男子達は幼稚園児と大差無いと映っていたのは仕方の無い事。
それは絵里が実生活の中で大人達と一緒に居ることが多かった為に絵里の感性も大人びていたからだ。
誰にも内緒で見習いニートとして正式ニート達と共に行動していた絵里は無口で近寄り難く、小、中、高と進学した先々でクラスメイト達から『何だかわかんないけど変な奴』扱いされて浮いた存在となっていたけれど、絵里からしてみれば、その他大勢と無理に関わらなくて良いから楽だった。
絵里には学校で虐められた経験が無い。
それは非常に幸運な事だったのだろう。
何故ならば、いじめっ子気質なクラスメートは男女共に居たのだけれど、絵里に目をつけ虐めの対象とする前に転校してしまったり、緊急特別クラス替えが行われたりしたからだ。
もしも彼、彼女らが転校したり、緊急特別クラス替えによりクラスが離れたりしなかったら、絵里の小学校~高校までの学生時代は最悪の暗黒期間となっていただろう。
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