第二話

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「見た? ひめくり、今の……、」  現実の出来事だったのだろうかと、しのぶはひめくりに確認する。ひめくりは胸に両手を重ねて、頷いた。 「はい。とっても綺麗なお花でした」  * * *    翌朝、シダのしのぶは完全に枯れ果ててしまっていた。昨日まで青々と葉をつけていたのが信じられないくらい、哀れな姿だった。  ひめくりは涙目で、しのぶに(たず)ねた。「シダのしのぶさんはどうしてしまったのでしょう」  しのぶは唇を噛みしめ、答えた。 「自然に反したから……かな」  自分の自然を、ねじ曲げたから。  うなだれるひめくりの背中に手を当てて謝る。 「ごめんね、ひめくり。私の所為(せい)だね」
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