幸運なモノ

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「な、なにして……!?」 「だいじよーぶ、鍵は開けといたから」 それって、どういうこと? 尋ねようとしたが、パーカーを脱がされそうになりそれどころじゃなくなる。 胸元まで捲り上げられた服を必死に抑え、足をばたつかせた。 「やっ、やめてください……!」 「そうそう、もっと大声出せ」 耳元で囁かれ、体が強張る。 嫌だ。離れて。 触られたくない。 こんな姿、他人に見られたくない。 今までは、周囲に性的な目で見られることがただただ怖かった。 だから他人を遠ざけて、遠ざけて…… いつの間にか、誰とも関わらなくなっていって…… 独りになって…… そんな時、慎太郎くんが手を差し伸べてくれた。 キラキラしてて、まるで太陽のような笑みで、独りぼっちの僕を救い出してくれたんだ。 そんな彼が、僕は大好きで…… この体を、彼以外に触れて欲しくない。 嫌だ。嫌だよ……。 助けて……慎太郎……っ。 ──その時 扉が壊れそうになるほどの強さで、勢いよく開かれた。
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