君が寝てること

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君が寝てること

天井は、白色が多いなぁと、オレンジのLEDライトにシェルシェードのテーブルランプがベッド横の床から斜め上の壁を灯す暗さの中思う。 彼は寝付きがいい健康な人だけれど、わたしは中学の頃から不眠症なので、疲れても、薬を飲まない限り、基本的に深く長く眠ることはない。 男だけどその辺の女の子より綺麗なものに敏感な彼は、ファブリックも素材含め厳選しており、全体的に、嫌味じゃないぎりぎり手前の北欧風でまとまっているこの部屋は、七畳のリビング兼ベッドルームに、三畳のウォークインクロゼット、こじんまりした最低限のトイレの横に、やはりこれ以上ないミニマムに徹したバスルーム、洗面所を付けた、細長すぎるキッチンがやや間抜けな印象で玄関入ってすぐにある、マンションの七階最上階で、おしゃれ女子になりたい女子が住みたがるエリアで有名な駅から、徒歩七分の所に去年出来た。 転職を期に、職場に近いからと、まだ内装が出来上がっていない時点で彼は契約した。 決断力のあるやつだと思う。初めてここに来たときは、まだ通路のあちこちに半透明のビニールがついていて、エレベーターの中もプチプチでおおわれていた。
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