日本的お役所スパイ!

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アユミは20歳の時に青木一夫と妻麗子の養女となった。 青木夫妻にはもう一人、アユミの兄に当るタケルが居た、青木健25歳、青木一夫45歳、青木麗子38歳。 至って普通の家族にアユミは見えた。 「今日から宜しくお願い致します」と叔父にあたる中村洋一に連れられて挨拶に来た。 青木夫妻と兄となるタケルはニコニコしながら「マァ急に両親や兄妹が出来て戸惑いも有りますが、私達は貴女の事を養女にしてとても嬉しいんですよ!」青木一夫がアユミに言った。 「まだまだ、右も左もわからない娘ですが、素直な良い子です、実の子と思って、時には厳しく時には優しく教育をして貰えればこちらとしては、何も言う事は有りません」叔父の中村洋一が青木夫妻と兄となるタケルに言った。 こうしてアユミと青木一家の対面式は和やかに行われた。 「アユミちゃんも・・・いきなりお父さんとは呼びにくいだろうから、慣れるまでは、おじさまでいいよ、アユミちゃん!」と父親に当たる青木一夫。 「そうね~~生活のリズムが出来るまではね~」と母親に当たる青木麗子。 「俺は、アユミって呼ぶよ、そのかわりアユミは俺の事をタケルでも兄貴でもどっちでもいいからね~」と兄に当たるタケル。 「ハイ、お兄さんそして、お父さんとお母さん、宜しくお願い致します」 アユミは最初が肝心と心得ていた。 「イヤ~こんな可愛い娘さんから急にお父さん・・・だなんて」 「アユミちゃん、いえ、アユちゃんこちらこそよろしくお願いね~」 「うん、アユミそれで行こうよ、それで」 「ハイ、お兄さん」 「こりゃ友達に自慢できるなぁ~こんな可愛い妹が出来て!」健は少しハニカミながらアユミに言った。 内調・ファイルNO1125本名不詳年齢不詳コードネーム青木一夫48歳。 公安警察第二課調査員・公安識別番号0085本名不詳年齢不詳コードネーム青木麗子38歳。 自衛隊特殊部隊第8部隊・認識番号285602本名不詳年齢不詳コードネーム青木健25歳。 そして、警視庁別働部隊・認識番号1108本名不詳年齢不詳コードネーム青木歩20歳。 アユミの叔父役警視庁別働部隊隊長認識番号008741土方利光、偽名、年齢不詳コードネーム中村洋一48歳。 この一家は全員スパイだった。 勿論お互いの事は何も聞かされて居ない。 一夫と麗子は上司からの紹介で見合結婚をしたがお互いが偽装結婚だと思って居た。 お互いに相手の事は知らされてない! 兄、健は防大を出てそのまま特殊部隊に配属し、矢張り上司の勧めで青木夫妻の養子となった。 青木夫妻は二人の養子と養女をスパイとは知らされてないし、タケルとアユミも青木夫妻がスパイとは知らされて居なかった。 そもそも全員が本名と年齢は偽装されたもので、自分だけが本当の事を知って居た。 一応家族内では下記の様な役所勤めとなって居た。 青木一夫内閣府用土係課長 青木麗子警察庁総務部主査 青木健自衛隊人事課勤務 青木歩東京都警視庁総務課勤務 ある日内調から一夫に特別任務が下された。 「コードネーム青木一夫は原理の会の首謀者浅田凡天を闇に葬り、テロに関する計画の阻止をし、カルト教団原理の会の壊滅にはかれ」 ある日公安第2課から麗子に任務が下された。 「認識番号0085はカルト教団の教祖・浅田凡天を奪還保護し、テロ組織カルト教団・原理の会の壊滅にはかれ」 ある日自衛隊特殊部隊第8部隊から健に任務を遂行下された。 「認識番号285602はカルト教団原理の会のテロを阻止し教団教祖を闇に葬れ」 ある日警視庁別働部隊第三課からアユミに任務が下された。 「認識番号1108はテロ組織カルト原理の会の教祖を拉致保護し教団の壊滅をはかれ」 要約すれば、ばカルト教団の壊滅は全員がその任務にあたるが、教祖を奪回拉致保護をするのは母麗子と長女アユミ。 カルト教団を殲滅し教祖を闇に葬るのが父一夫と長男健だった。 カルト教団首謀者、浅田凡天は自治大臣の遠い親戚だった。 警視庁及び警察庁はカルト教団原理の会がテロを実行しようとの情報を得て居た。 その為カルト教団・原理の会は壊滅を指示されて居たが教祖、浅田凡天は自治大臣の遠縁に当たるため保護を指示されて居た。 内閣府は内調の調査により教祖自らテロ行為を示唆して居た為に闇に葬る様に内閣府国家安全企画部から内調と自衛隊特殊部隊に要請を指示して居た。 ここが日本的縦社会のお役所仕事だった。 実行日当日◯月◯日 一夫は今夜内閣府の呑み会で遅くなると家族に言った。 麗子は決算で泊り込みになると家族に言った。 健は人事の仕事で遅くなるか泊り込みになると家族に言った。 歩は矢張り決算で泊り込みだと家族に言った。 一夫が「警視庁も警察庁も自衛隊も役所だからなぁ~」笑いながら言った。 (これで家族にはわからない様に仕事が出来る)と一夫は思った。 それは家族全員が思って居た。 内調から一夫に指示。 自衛隊特殊部隊と行動を共にする事、落ち合う場所は埠頭倉庫18号前。 完全武装。 武器使用許可。 目的、教団壊滅テロ阻止及び教祖を闇に葬れ。 自衛隊特殊部隊との暗号は「雨の日は月も暗い」 相手は覆面フルメタル使用呼び名を「イ18」 以上。 自衛隊特殊部隊から健に指示。 内調調査員と行動を共にする事、落ち合う場所は埠頭倉庫18号前。 完全武装許可。 武器使用許可。 目的、教団テロ阻止壊滅及び教祖を抹殺する事。 内調との暗号は「でも満月だ」 相手も覆面フルメタル使用との事、呼び名を「ア17」 以上。 公安第2課長から麗子に指示、警視庁別働第部隊と行動を共にする事、落ち合う場所は埠頭倉庫16号前。 完全武装許可。 武器使用許可。 目的、教団テロ阻止壊滅及び教祖拉致保護する事。 警視庁別働部隊員との暗号は「夜でも陽は明るい」 相手は覆面フルメタル使用呼び名を「A5」 以上。 警視庁別働第部隊第3隊長から歩に指示、公安警察と行動を共にする事、落ち合う場所は埠頭倉庫16号前。 完全武装。 武器使用許可。 目的、教団壊滅テロ阻止及び教祖拉致保護する事。 公安との暗号は「そのうち暗くなる」 相手は覆面フルメタル使用呼び名を「B8」 以上。 役者は揃った! 目的はテロカルト教団壊滅! 教祖保護か抹殺か? 一夫と健は教祖抹殺。 麗子と歩は教祖保護。 全員が音声機械を首に装着。 これによって普段と違う人口音声が発せられた。 テロカルト教団原理の会は湾岸埠頭倉庫17号にて秘密裏にテロを目論み集会を開いている、この事は、内調・自衛隊・公安・警視庁・警察庁で掴んで居た。 内調は内閣府からの指示。 自衛隊は防衛省からの指示。 公安は公安警察庁及び自治大臣からの要請指示。 警視庁は警視庁及び自治大臣からの要請指示。 ◯月◯日マルイチマルマル時 湾岸埠頭18号倉庫前。 黒い影がもう一方の影に外語で言った。 「Дождливый день темный на луне!」 もう一方の影は。 「Но это полная луна!」 先の影(内調父一夫)から「イ18?」 もう一方の影(自衛隊長男健)から「Это верно(そうだ)」 「ア17?」 先の影(父)「Это верно!(そうだぞ!) ◯月◯日マルイチマルマル時 湾岸埠頭倉庫16号前 影が二つ! 一方の影から「그중 어두워!」 もう一方の影は「밤에도 날이 밝은!」 先の影から(母麗子)「B8?」 もう一方の影から(長女アユミ)「A5?」 二つの影から同時に「그렇다!(そうだ!)」 18号倉庫からテロ集会が行われている17倉庫後方に「ア17とイ18」は移動して前方倉庫に超小さな穴を開けてファイバースコープカメラを差し込んだ。 「Он гуру?(アイツが教祖か?)」とア17が言った。 「Хотел бы я убить такого парня!(あんな奴は即座に抹殺すればいいのに!)」とイ18か言った。 「Ну! Не говори так! Это тоже миссия!(そう言うな!これも任務だ!)」とア17はイ18に言って聞かせた。 18号倉庫からテロ集会が行われている17倉庫前方に「A5とB8」は移動して後方倉庫に超小さな穴を開けてファイバースコープカメラを差し込んだ。 「그 녀석이 지도자인가?(アイツが教祖か?)」とA5か言った。 「저런 놈 죽여 버리면 좋을 텐데!(あんな奴殺してしまえばいいのに!)」B8か言った 「아무튼! 그렇게 말하지 말아라! 이것도 임무 다!(そう言うな、これも任務だ!)とA5。 後方倉庫に穴を開けた「ア17とイ18」の作戦はこの穴から、青酸カリガスを注入して全員が集団自殺に見せかける事とした。 後方倉庫に穴を開けた「A5とB8」の作戦はこの穴から、フェンタニル(催眠麻薬)ガスを注入して全員が催眠状態にして「教祖浅田凡天」を拉致保護してから青酸カリガスを注入して集団自殺に見せかける事とした。 「Заблокируйте вход в склад, потому что мне жаль убегать(逃げては困るから倉庫入り口を塞いでくれ!)」とア17がイ18に言った。 「Понял!(了解!)」 「최면이 얕아 도망 치면 곤란하기 때문에 창고 입구를 막아 줘!(催眠が浅く逃げては困るから倉庫入り口を塞いでくれ!)」とA5はB8に言った。 「라져!(了解!)」 イ18が倉庫後方を曲がったら前方から黒い影がヒタヒタと忍び寄って来るのを確認! B8が倉庫前方を曲がったら前方から黒い影がヒタヒタと忍び寄って来るのを確認! イ18は咄嗟にア17に「Это враг!(敵だ!)」と無線を通して言った。 B8は咄嗟ににA5に「적이다!(敵だ!)」と無線を通して言った。 ア17は逆側にてサイレンサー発砲をした。 A5も同じく逆側から応戦! イ18もサイレンサーにて応戦。 これを受けてB8も応戦した。 イ18の弾はB8の腕を撃ち抜いた。 A5の弾はア17の肩を撃ち抜いた。 「Это бесполезный вывод!(ダメだ撤収!)」とイ18が無線でア17に言った。 「안돼 철수!(ダメだ撤収!)」とA5は無線で撃たれたB8に言った。 音声無線の周波数を傍受した「ア17(父親の一夫)は何故北のスパイが?」 音声無線の周波数を傍受した「A5(母親麗子)は何故ロシアのスパイが?」 教団はこの後、B8からの要請で警視庁特殊部隊SATが出張って全員逮捕となった。 一夜明けて午後12時 「あら、貴方お帰りなさい・・・アレ?どうしたの・・・肩に包帯を巻いて?」と母麗子が一夫に言った。 「イヤ~呑み会で少々羽目を外し過ぎて・・・このざまだよ、母さん」 「ん、もう気を付けてよ、お父さん・・・お酒もほどほどにしないと、本当にもう!」 「ただいま~~」 「あら、アユミちゃんも腕に包帯をして・・・」 「うん、棚卸しをしていて、重い物が腕を挟んで・・・でも大した事無いから大丈夫よお母さん!」 「ただいま~・・・なんだ父さんもアユミも怪我をして????」 「そうなのよ、タケル君、もう二人して不注意なんだから、、もう!」と心配な母親麗子! 「でも、これも本当の家族になったと思えばね~~母さん!」と長男のタケル。 「そうね~~親子揃って怪我してるなんてね~」と麗子とタケルは笑って居た。 父一夫と長女アユミも少し痛いけど笑っていた。 (う~ん!家族っていいなぁ~~)と父親の一夫は思った。 母親の麗子も(家族っていいわね~~)と思った。 「大丈夫かよ、アユミ!」と心配してるタケル。 「ありがとうお兄ちゃん大丈夫だよ!(家族っていいなぁって!)」とアユミは思った。 こうして青木家は段々と家族になって行った。 『でも、いつか又敵味方や家族一丸となって敵と対自するかは、わからないけどね~~』 ~END~
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