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『オーリン。来てくれてうれしいわ。ほら、見て』
真新しい産着に包まれて、小さな吾子は彼女の腕に抱かれていた。
『初めは実感がわかなかったけど、この子は私の分身なの。私がこの世に生きたという証――』
『この子は私の命の光、そのもの』
リュイーシャの声が、風に乗って聞こえたような気がした。
とても近くで。
遠い記憶を探りながら、私はそっと子供の名前を呼んだ。
「会いたかったのは君なんだ。きっとね、シャイン」
-完-
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