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「それではエイブリー。お前の言葉に甘えてもいいだろうか。久々に彼女の庭を散策したい」
「どうぞ。リュイーシャ様もあなたのご来訪をお喜びになると思います」
執事エイブリーは一礼し、母屋の方へと歩いて行った。
その背を一瞥し、私は右手の庭園をそっと見やった。入口にはアーチ状に組まれた木材の上を、のたうつ蛇のように生い茂ったエルシャンローズが青白い花をいくつも咲かせている。
少し冷たい涼やかな風が、ほんのりと花の甘い匂いを運んできた。
私は庭園へと歩きながら、その香りと共に、今は亡きリュイーシャを思った。
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