紅牙物語(転生以前)

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それから数日、小さい子の回復力とは恐ろしい あれだけ、皮が剥け、肉が露になっていた拳が傷跡無く綺麗に治っていた 彼は元気よく、否、元はあまり外であそばない子な為今日は真っ昼間からぐっすりだ 土日だからだろう。 しかも土曜だ、彼が好きなライダーやヒーローは明日の朝早く。 今日くらい寝坊助してもいいよね そんな夢心地なのか、幸せそうに眠っている そんな彼の元にちょっとした災難が 「おーい!紅牙ァッ!ちっと手伝ってくれぇ!」 紅「ちっ……なんだよ、パパ」 紅牙の父、恭牙(きょうが)である 癇癪持ちで、切れたら手がつけれない だが、基本的には良き父親だ 家族に暴力は振るわない。ただ、若かれし頃、ヤンキーのダンプカーに引かれて無傷、ヤンキー集団幾度か殴り潰したハゲ親父。舐めてはいけない 「いやなぁ、今から田植えしなくちゃいけんのよ。じゃけ、紅牙も着いてこんかねぇって思ったんよ」 紅「えー、あー、うん。良いよ」 彼の土日はこのハゲのせいで今後失われていくことになる 彼の筋肉の一部は農業筋だ 彼は根はいい子なんだがと何度も言われた けどそれ以上に手が出るのが早いのだ。 勿論敵対する奴以外には手は出さない たとえば、悪口を言われ ちょっかいを出され、友人を馬鹿にされ 彼は手を出した 世の中、手を出したら負けなのだ それは重々分かっている 彼はやんちゃじゃ済まない 3つ4つ歳上を簡単にあしらい、制すその強さは異常だった それを容認し、彼を励ますのはやはり、このハゲオヤジだった 「男なら売られた喧嘩は買わなきゃ損だからな、紅牙。相手が5人10人50人100人いても関係ねぇ、ぶちのめせれるデケェ男になれよ!」 ハゲ親父の子の一言も彼の強さのひとつかもしれない
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