本棚1000突破。感謝のショート

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季節のズレたインフルエンザに用心したのか、延焼を嫌った病院は順番を飛ばして先に診てくれた。 病名はやっぱりインフルエンザだった。 そりゃそうだと思う。 8時間以上かけて狭い車内をせっせとウィルスで満杯にしたのだ。 ウィルスにも一応だが質量はある。 あんまりにも満杯だったからきっと、外から見れば車内の空気に色が付いてた。 その場で薬を飲ませて(吸うやつだった)帰ってきたのは水嶋のマンション。 これは失敗だった。 場所を間違えた。自分の部屋に連れ帰るべきだった。 だって平日だから。 月曜日だから。 相変わらずの散らかった部屋は看病には不向きだ。台所は片付けなきゃ使い物にならないし、昨夜から熱があったのだろう、縞々のパジャマは湿気ってもう生ゴミにしか見えない。 スーツのままドロンとベッドに引っかかっている水嶋は置いといて、グッと腕まくりをした。 「まずは……」 取り敢えずスーツを奪わないと仕事に戻りかねないが、部屋の中やクローゼットを探してみたが真っ当な着替えは無かった。 この時に真面目に同居を考えた。 水嶋との生活は滅茶苦茶面倒くさそうだがこのまま何もかもが足りない生活をさせておくのはもう限界な見える。 決して!同棲(//∇//)……とか邪な事を考えた訳じゃ無い。 この人は一人暮らしに向いてないのだ。 ってか……少し放置しただけなのに水嶋が電話をしてる。そして「今すぐ伺います」とか言ってる。 さっさと着替えさせて眠らせなければこのままではテロ行為と同じだ。
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