本棚1000突破。感謝のショート

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簡単に片付けをしながら部屋の中を探っていると、クローゼットの隅にあった洗濯済みの長Tを見つけた、広げてみると…… どう見ても女物だ。 これは友梨の物だと断定した。 それ以外は考えない。 あるかもしれないって別の「美女」がガツガツと攻撃してくるが頭の中の妄想を揉み消した。 友梨については色々諦めたかもういいのだ。 「水嶋さん、これに着替えてください」 Tシャツの正体がバレないように丸めて渡すと、水嶋は顔だけ動かしてプイッと横を向いた。 「俺はちょっと休んだら出るから…」 本当に、目の焦点すら合わないのによく言えると思う。 「駄目ですよ、行けませんよ」 「マスクを…」 「マスクをしても駄目、迷惑だと言ったでしょう」 「でも呼ばれたら行くしか無いだろ」 「俺が行きます、俺では無理なら他の営業か…何なら課長でも部長でも使えばいい」 「でも」とか「しかし」とか「仕事だ」とかブツブツ言ってる水嶋の手から携帯を取り上げて、ネクタイ外して、シャツのボタンを外して……もう……また下に何も着てない。 しかもやけに素直で初々しいくらいだ。 ……これがいつもこんなんなら…… いつでもどこでも何をしててもムラムラさせてくれる。 唇を噛んで万歳させた水嶋にTシャツを着せると………胸にはピンクのウサギがいた。 そして首回りが広くて細身だった。 男が着たらさすがにパツッとなるかなと思ってたら、絶妙に……胸が無い分ちょっと余ってる。 細いなって再認識した。
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