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簡単に片付けをしながら部屋の中を探っていると、クローゼットの隅にあった洗濯済みの長Tを見つけた、広げてみると……
どう見ても女物だ。
これは友梨の物だと断定した。
それ以外は考えない。
あるかもしれないって別の「美女」がガツガツと攻撃してくるが頭の中の妄想を揉み消した。
友梨については色々諦めたかもういいのだ。
「水嶋さん、これに着替えてください」
Tシャツの正体がバレないように丸めて渡すと、水嶋は顔だけ動かしてプイッと横を向いた。
「俺はちょっと休んだら出るから…」
本当に、目の焦点すら合わないのによく言えると思う。
「駄目ですよ、行けませんよ」
「マスクを…」
「マスクをしても駄目、迷惑だと言ったでしょう」
「でも呼ばれたら行くしか無いだろ」
「俺が行きます、俺では無理なら他の営業か…何なら課長でも部長でも使えばいい」
「でも」とか「しかし」とか「仕事だ」とかブツブツ言ってる水嶋の手から携帯を取り上げて、ネクタイ外して、シャツのボタンを外して……もう……また下に何も着てない。
しかもやけに素直で初々しいくらいだ。
……これがいつもこんなんなら……
いつでもどこでも何をしててもムラムラさせてくれる。
唇を噛んで万歳させた水嶋にTシャツを着せると………胸にはピンクのウサギがいた。
そして首回りが広くて細身だった。
男が着たらさすがにパツッとなるかなと思ってたら、絶妙に……胸が無い分ちょっと余ってる。
細いなって再認識した。
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