本棚1000突破。感謝のショート

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本棚1000突破。感謝のショート

京都から帰って次の日はもう一日休めと会社を出禁になった。出勤停止だから年休も食わないというおいしい休みだ。 有り難く頂いてヌクヌクとテレビを見て過ごしたが……待っていたのに。「体調はどうだ?」とかせめて「あの仕事どうなった?」とか水嶋からの連絡があるかと思ってたのに何も無い。 差し入れ持って「来ちゃった」なんて当然なかった。 わかってたからいいけどね。 どうせ夢中になって仕事に邁進してる。 そのまま土日に突入して休みが開けた日、三日ぶりに見た水嶋の様子がおかしい事にはすぐに気が付いた。 言っとくがこれは水嶋マイスターの俺だからわかった事だ。おかしいと言ってもそこは水嶋なのだ。素直におかしいを見せたりはしない、 タスタスと順調に積み上げる売り上げ、飛び込みで新規も取るしエレベーターの中で事務に電話で指示を出して遅いと怒鳴る。 勿論自社社屋の話だ。1分も経ってないのに出来るかって話だが、普段から気の強い事務も水嶋には逆らわない。 だって逆らっても無駄なのだ。 倍言い返されて酷い時には物が飛ぶ。 どう見ても通常運転なのだから誰も変だと思わないのは当然だった。 水嶋のどこが変かといえば、まず目が違う。いつもどこでも誰にでもガンを飛ばしてる目に力が無かった。 歩く時の高速競歩も遅いし立っていると何処かに凭れる。
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