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幼馴染
「ちょっと出て来い」
会社に出勤した途端に佐倉からの呼び出しが来た。しかも掛かってきたのは携帯にでは無く会社の外線からだ。
事務も気が利かない。
ワイズフードから直で電話が掛かってくるような用はないのに、「江越さん、一番にワイズフードの佐倉局長からお電話です」と大声で呼ばれた。当然だけど、一緒に出勤した(テへヘ)水嶋には隠せなかった。
電話を置いた後、振り返って見た水嶋の顔……。
人類滅亡まで後一週間って顔してる。
水嶋が目を剥くと結構デカいのだ。
昨日の夕方間近で見せて貰った。(テヘ)
「俺か?俺だよな……何で江越に連絡が行くんだ?お前また何かやらかしたのか?」
「違いますよ、佐倉とは…」
「局長」
「佐倉局長とは知り合いになってあれから時々飲んだりしてるんです、あの、そう、あ……プリ……そう、アプリを作るって約束したんです」
「は?嘘付け!そんなもんワイズフードなら博報○とか電○に頼むわ、どこだ?行ってくる」
「駄目ですよ!」
それは駄目。佐倉に何か言われれば水嶋の事だ、今度こそ全部言いなりになる。
しかも既に貫通済みなのだからすんなりと全部進んでしまうかもしれない。
そんなの嫌です。
「あのね、佐倉局長は俺に電話して来たんです、水嶋さんは関係ありません」
「関係無くてもいい、どこで待ち合わせた?言え!言わないならワイズに行くぞ」
「駄目ったら駄目!」
飛び出して行こうとする水嶋をふん捕まえてフロアに押し返した。
ちょっと殴られたけど慣れてる。
この際縛って倉庫かトイレにでも放り込んで鍵かけて上から登って出る。生憎人目があり過ぎてそこまでは出来ないが気持ちはそれくらいだ。
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