最高のオヤツ・タイム

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 やがて夕方になると、宏が下りてきた。 「あれ、パパは?」 「急なお仕事が入ったんで、会社に行っちゃったのよ。さー、今夜はお寿司よー。食べなさい」 それは、ついさっき近くの寿司屋で買ってきたものだった。 「ワーイ。美味しそうー!」  ミズキも宏と一緒に同じ寿司を食べた。  食べながら…… 「ねー、宏。ママと二人切りになってもいいよねー」 「ん、いいけど……パパは帰ってこないの?」 「パパはね、遠い外国へ、お仕事で行くことになったのよ」 「へー……そうなんだ……」  寿司を食べ終えた頃、ミズキは例の睡眠薬の半分を粉にしてお茶に入れ、また宏に飲ませた。  まもなく寝た宏を2階のベッドへ運んだ後、ミズキは冷蔵庫から厚志の遺体を運び出し、風呂場で解体した。  そして、裏の庭の端にある消臭装置付きの焼却炉に入れると火をつけ、1時間ほど燃やした。  残った骨を全て取り出すと、風呂場で細かく砕いた。  それを袋に入れて近くの川へ行き、橋の下の陰から流した。  少し(にご)った水流に飲み込まれながら、粉になった厚志の骨は流れていった。 「厚志さん、さようなら……。悪く思わないでね……」  真夜中のため、目撃者は皆無だった。  見上げると、皮肉なほど星が美しかった。  帰宅したミズキは、風呂場も充分に掃除してからベッドに入った。
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