15人が本棚に入れています
本棚に追加
僕の幼馴染、神名かえで。小学校の頃から仲良しで、よく一緒に遊んだ。学校が終わると僕についてきて、よく一緒に帰った。僕が何かすると、かえでもすぐ真似た。僕にとって彼女は妹みたいな存在だった。
そんなかえでが不登校になったのは中学に入ってすぐらしい。クラスが分かれていた僕がそれを知るのは少しあとだった。
僕がある日いつも通りここに寄ると、どこからかあとをつけてきたかえでが僕に泣きついた。
コウくん。
かえでは昔変わらない呼び方で僕を呼んだ。僕が、
どうしたの?
と聞くとかえでは、学校で居場所がないのだと縋った。それ以来学校が終わるとここで待ち合わせ、かえでに勉強を教えている。
「後期の委員なんだけどさ、たぶんかえでも美化委員」
「なんでわかるの? クラス違うのに」
「一組の女子の委員が三回も委員会欠席してるから。かえで一組だよね?」
最初のコメントを投稿しよう!