天国の記憶

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 聡士は、藍の手を、両てのひらで包んだ。 「記念日、おめでとう。ちょっと遅れちゃったけどな」  藍は息を飲んだ。  覚えててくれたのだ。  聡士は、この腕輪を。  思い出してくれたのだ、僕の記念日を。  胸の内に、熱いものが込み上げてきた。  眼に涙がにじみ、視界がぼやけてきた。
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