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第1問:「語りえぬものについては、沈黙しなければならない」とオーストリアの哲学者であるウィトゲンシュタインは言ったが、乱罵先生は語るんだよ!の巻
12歳は小学生6年生のいたいけでイノセントな少年からの質問です。
少年『乱罵先生、どうして人を殺してはいけないの?』
乱罵先生『だったら一度、己がその身をもって死んでみぃ!』
そう乱罵先生は言い放つと、傍らにあったハスクバーナ社製の手斧を持ち上げ、目前で凛とした姿勢で正座していた少年のド頭めがけて、斧の刃でカチ割ってやりました。
乱罵寺院(らんばじいん)の講堂は畳床。そのアジールは聖観音像の目下に飛散する脳漿と血糊にまみれました。まさしくそれ極楽浄土ならず地獄絵図。フォービズム派の画家が描く赤を想起させる、床絵。
そして、一撃で絶命した少年の肉体を執拗にさらに手斧でバラバラに刻みまくる、どうしてか三白眼になって凶行を続ける乱罵先生。
それらのジ・ハードが一区切りすると、乱罵先生はおくびにも息切れせず、乾坤一擲が如く一言吐き出しました。
乱罵先生『自らの痛み知らずして、人の痛みは知らず。そんな輩は即刻入滅して冥府に逝くべし! なあに悪人正機こそが仏教の極意の一つ。小僧の心の窮愁も癒され黄泉で浄化されるわい、ガッハッハッハッ! 維新の夜明けは近いのう……いやさ、これにて落着! イッツ、ソリューション!』
乱罵先生にかかったら全ての迷いが解かれるのです。ビバ! 乱罵先生!
了
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