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次の日、予定を早めて再びヤツがあちらに行くと社内で広まった。
加奈子嬢と安井さんに小さなクッキーボックスを渡して礼を言った。
「茜ちゃん、わかってないんだ?」
「加奈子さん、あ~ちゃんはニブニブだから無理ですよ。」
「鼓さん、大変ね。」
加奈子嬢にため息混じりに苦笑される。
「まあ、指導役の縁ってか、ヒヨコをお守りしているような感じですけどね…。」
「ふ~ん?」
「樹里ちゃん。」
変な同情をされて今回のところはおさまったのだった。
しかし、茜、加奈子嬢はともかくいつの間に安井さんにあ~ちゃんなどと呼ばれて心配されるほど友好的になっていたのだろう?
肉食系と思われていて、同性にはカライと男性社員にまでひそかにうわさされている彼女が同性の人間に愛称をつけて呼び、茜を本気で心配していた。
おかげで今回は助かったんだが…不思議なことだ…。
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