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第1話 ニカとリュカ
ロンドンのビックベンが午後3時40分を刻む頃。
日本からの留学生・仁科ニカは、下校の準備を始めていた。
机の上のテキストと魔法の羽ペンをカバンにしまっていると、近くにいた、同期であり同じく日本からの留学生の小鳥リュカが声をかけてきた。
「ニカ、お疲れ!」
「あぁ、リュカ。お疲れ」
振り向いてリュカに手で合図すると、リュカが何だかしょんぼりとした表情で、小走りで近寄ってきた。
「ねぇ、ニカ。悪いんだけど、また今日も、課題手伝ってくれないかしら?」
リュカが指で星の形を描いて、それからニカに頭を下げる。
「いいよ! いつでも、何度でも描いてあげるから!」
「ありがとう、ニカ!」
リュカが抱きついてくると、ニカは照れ笑いをして、リュカの頭を撫でる。
「ふふっ。だって私たち、友達であり、親友だもん。だから、私がもし何か困難に直面したら、そのときはリュカ、あんただって手伝ってよね!」
「もちろん!」
リュカが先にニカから離れる。
「ねぇ、ニカ。今日の放課後、予定ある?」
「ないけど・・・・・・?」
「なら、一緒に帰りましょう! 同じアパートで隣同士なんだし。ね、良いでしょ?」
「そうね。うん、一緒に帰ろっか」
ニカとリュカは、手をつないで共に仲良く下校する。
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