第1章 一つ目の恋 都会からの転校生Kちゃん

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第1章 一つ目の恋 都会からの転校生Kちゃん

俺の近くの席になったKちゃんは、 時々、俺のほうを振り向いてニコッとする。 最初は偶然かと思ってたんだけど、 俺は気になるからKちゃんを見てたんだと思う。 Kちゃんは、俺の視線が気になるから振り向いてたんだろう。 笑顔を見せてくれるって事は、嫌いじゃなかったんだろうな。 《妄想のはじまり》 「ねえ、Kちゃん、何か困った事無い? 何でも言ってよ。」 「A君、ありがとう、実は数学の授業で解らない所があるの。 前の学校と進め方が違うみたいで、まだ習って無い所なの。」 「ああ、お易いご用だよ。 こう見えて数学 得意なんだ。」 「A君、他にも解らない所があるから……放課後少し教えてくれる?」 「ああ、全然大丈夫だよ。」 【放課後】 「A君の教え方、よく解るわ。 前の塾の先生より上手よ。」 「一応教職志望なんだ。 親が高校の教師でね… 。 Kちゃんのほうは?」 「うちは新聞記者…。 いつも締め切りに追われて忙しいみたい。 私はまだ進路とか決めて無いの…。」 「そうかあ…新聞記者って興味あるなあ。 今度お話しさせてよ。 それからKちゃんの進路はゆっくりで良いんじゃない? 一度決めても、また変わるかも知れないしね。」 「A君、新聞記者に興味あるんだ…。 お父さん喜ぶかもね。 今日は暇だって言ってたから、お父さん家にいるんじゃないかな? 来る?」 「ああ、じゃあ お邪魔するよ。 楽しみだな。」
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