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それどころか、よく観察するとエライ人が自身の陰茎に真珠を埋め込んで、性行為の際のイイ感じのアクセントにしようとするアレに少し似ているような気さえしてくる。 よし、彼女に自慢しよう。風俗に行ってこのアクセントで嬢をイイ感じにさせよう。 尖圭コンジローマは恐ろしいことに、諸兄姉にこのような思考をもたらす程に発症者の”第一印象”が良好なのである。 人間を病院に駆り立てるのは痛みや出血であり、痛みも出血もない突出物如きで病院に行く人間は少ない。 それどころか、イボを病院で処置した経験のある者であれば、陰茎に液体窒素をかける事態を想定して、むしろ病院には寄り付かないであろう。 そして何も処置を行わないまま諸兄姉は日常生活に戻り、性行為を繰り返し、この病魔の生息範囲が広がるのである。 だが諸兄姉の平和な日常生活はある日のトイレにて終幕を迎える。 排尿しようとしても尿が出ない。 加えて、イボが口腔、陰茎、陰門、肛門に隙間なく繁茂している。 岸壁一面に繁茂する藤壺、あるいは亀の手の様相を呈し、直視に堪えない。 形状も最初に観察した際と異なり、鶏の肉冠状や樹氷状、花椰菜状のものまで存在する。 排尿不能になる原因は、下水道管内壁に藤壺が繁茂するかの如く、尿道口に突出物が繁茂する為である。 排尿不能及び口腔、陰茎、陰門、肛門の様相により諸兄姉は恐怖を覚え、性病に係る情報を調べあげる。 そして尖圭コンジローマに思い当り、かのことを思料するのであろう。
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