プロローグ

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前の彼女とはどこに行った? どんな子だった? どれくらい好きだった? 聞かれる質問は、答えられないものばかりだ。 「あなたより鮮やかなスカートが似合っていたよ。」 「どこに行きたいか自分で決める子だったから、いつもついていくだけだった」 比べて、聞き出してあなたはどうしたかったんだろう? 意図が見えない質問をはぐらかす私は、結局二人きりに向いてなかったんだと思う。 別れてから病む人間もいるが、病まない人間の方が怖い。そして、付き合うという当たり前の形を取らなかった関係は病むことさえ許してくれない。
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