会話

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「彼女の悪口は言わないの?」 知佳さんに聞かれたとき、悲しくなった。悪口を言うほどの思い出も、やり取りもないことに気づいていたからだ。 デートなんてしたことがあっただろうか。 そもそも好きと言ったことは? 好きで気持ちが溢れていると誤解していた私は、彼女が気持ちに気づいてくれていると思っていた。そして、好きであればあるほど「好きです」という言葉が口から出ずに、内臓の奥の方まで隠れてしまうことを学んだ。
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