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はじまりの朝は
私の日課は朝から始まる。
私が先に起きて朝ご飯の準備をする。今日のメニューはお味噌汁に焼き魚、卵焼き。もちろん味付けは、好みに合わせてる。
その作ってる間にも、お弁当を同時進行。でも、自分の分だけ。食べる時間がないんだ、って悲しそうに言っていたのをふと思い出した。
思わず笑みをこぼしていると、ふわっと後ろからあたたかい温もりが私を包んだ。私の大好きなたくましい腕で、ぎゅうっと。
「わっ!」
「凛(りん)、おはよ」
「…おはよ」
これは朝の日課。…になってしまった。
本当は毎日お疲れの彼を寝かせてあげたくて、最初は起こしてあげていたんだけど、いつからか朝ごはんを作っている私に後ろからぎゅうってして、「おはよ」を言うのが当たり前になった。
恥ずかしいけど、うれしい。
「今日は、何?」
「佑(ゆう)の好きな焼き魚だよ。あとは卵焼き」
「お、まじで?凛の作る卵焼き好き」
私の耳元で話している佑は私が恥ずかしがっているのが分かっているのか、わざと低く甘い声で囁くように言う。
それに反応しちゃう私だから、すぐに耳も頬も赤くなる。佑もそんな私を見て、嬉しそうに笑うの。
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