はじまりの朝は

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貴重な朝の時間を毎日を甘く過ごす。 名残惜しそうに、私から離れた佑は寝室に行き、会社に行く準備を始めた。かくいう私も、止まっていた時間から現実に戻され、朝ごはんの続きにとりかかる。そんなに時間がかからず、すぐにお弁当ができ、テーブルには二人分の食事の準備もできた。 「よし」 今日も彼のために、作った朝ごはんの出来栄えに満足し、彼のいる寝室に呼びに行った。 コンコン… 「佑ー?ごはんできたよー?」 そう言いながら、寝室のドアを開けて佑を呼んだ。中にいた佑はちょうどネクタイを締めているところだった。 薄い青のワイシャツに濃紺でアクセントにオレンジの線が間隔を開けて斜めに入っているデザインのネクタイ、スーツはネクタイと同じ色の濃紺でさりげなくストライプが入っている。腕時計はシンプルかつおしゃれなデザイン。それを難なく着こなす彼に思わず見とれてしまっていた。 ネクタイを緩めに締め終わった佑は、そんな私に気づき、にやりと笑った。 「凛?どうしたの?」 「…あ、いやなんでもないよ!ごはんできたから呼びにきたの。ほら、遅刻しちゃうから早く食べよ!」 見とれていたことをバレたくなくて、目線を合わせないように早口で喋ってしまった私。でもきっと佑にはバレているはず。そーっと佑を見ると、にやりと笑ったまま「ふーん」って意地悪うそうな顔をしていた。 「ほ、ほら!」 そう言って、逃げるように寝室から出て行こうとするが、佑に腕を掴まれ、ドア近くの壁に追いやられてしまった。
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