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急いで食べたので会社には十分間に合いそうだった。
佑は私より早く出る。夜も残業して帰宅するのだが、それでも仕事は多いようで、大変そう。私は少しでも支えたいと思い、朝早く出勤する佑に合わせて早めの朝食、夕ご飯もバランスよく栄養がとれるように工夫している。
これくらいしか私にできることはないけれども、佑はそれでも十分だよって言ってくれる。それよりも昼に凛のごはんが食べれない…って言ってくれるから私は思わず嬉しくて笑った。
「凛、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
玄関まで佑を見送り、私も慌ただしく出勤の準備をする。
佑とは対称に私は、いつもグレーと黒のパンツスーツを着回し。インナーは白のブラウスがほとんど。就活スタイルだと言っても過言ではないくらい、地味な服。
髪型はシュシュもつけないただのポニーテール。メイクもファンデーションとアイブロウのみ。必要最低限しかしていない格好は、華やかな雰囲気を苦手とし、どう見ても周りとは関わりを持ちたくない雰囲気を醸し出していた。
そして、左手の薬指で綺麗に光っている婚約指輪と結婚指輪をそっと
外した…
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