4913人が本棚に入れています
本棚に追加
/98ページ
「見た見た!?今日の長嶋さん!!今日もかっこよかったね~。目の保養だよ、ほんとに。あれで彼女がいないとかほんとに驚きだわ」
「だよね~。噂だと会社で告白してくる女、全員フってるらしいね。こないだの受付嬢のあの子にだってフってたらしいよ~」
「え、あの子もダメだったの!?悔しいけど可愛いのに~」
「あの子もダメだったら、誰ならいいんだろね~」
「もう、モデルの人とかそれくらいレベルの高い女じゃないとダメだって!!」
「長嶋さんと一度は付き合えたらなって思うけど、片っ端から断るなら見てるだけの目の保養で十分ね」
「そうだよね。あ、着いたよ。行こー」
総務部に着く前に、エレベーター内で聞いたいつもの噂話。そしていつも出てくるのが佑。彼は、会社で一番女性に人気がある。ルックスよし。仕事よし。すべてが完璧な男。その噂の彼が私の旦那さんの長嶋 佑斗(ながしま ゆうと)。
営業部に所属し、常に成績は上位。今は主任だが、確実に上に進むだろう。そして、人付き合いよし。自分に厳しく上に突き進む向上心。誰に対しても悪い顔せず、優しいからそんなところも女性に人気がある一つなのかもしれない。告白されても優しく断っている、らしい。
そんな彼と私は結婚、している。
でも、会社では秘密。
人気な彼との結婚がバレたくない。
他の女性とのやっかみに巻き込まれたくない。
こんな地味な私とじゃ釣り合わない。
全然違う。これは建前。
本当は秘密を楽しんでいるの。
最初のコメントを投稿しよう!