近づく2人

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彼女本人の口から名前を知ることができた。 俺の名前を知ってもらえた。 人と話すのが苦手なんだろう。本屋でもそうだったけれど、あまり目を合わせようとしない。 本屋で会ったこと、君は覚えていますか? 「麻井…凛子…「麻井さんがどうかしたのか?」 「おわっ!松村か!驚かせるなよ!」 「んー?意中の麻井さんに会えなくて、悶々としてたのかー?」 詫びることなく、ニヤニヤと俺に同意を求めてくる。 くそっ。面白そうな顔しやがって。 「…むしろ逆だ」 「ん?逆?」 ボソッと呟いた言葉もしっかり拾う、奴。 「もっと近づきたくて悶々としてる」 「………お前、やばいぞ。」 「…わかってるよ」 「……」
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