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凛子の気持ち
「おまたせ」
時間厳守並みに言ってのけた莉子が会社の正面玄関にやって来たのは、19時を5分過ぎた頃だった。
大体5分ぐらい遅れてくるのが莉子。
自然と体は駅の方へ向かっていたが、尋問されるお店の場所は知らされていなかった。
「実はお店、もう予約してあるの」
「え、そうなの??」
「周りに聞かれたくないでしょ?だから個室がある創作料理のお店にしてみた。そこのお店ずっと気になってたの」
「へー」
「もう。反応薄いなぁ」
「そりゃそうでしょうよ。…反対に莉子は楽しそうね」
「まあね。凛子の話を聞けるなんて思っても見なかったからさ、しかもレ・ン・ア・イ!!キャーー」
お店に行く道中で、1人盛り上がる莉子を軽く睨んでしまう。そんなに面白がらなくてもいいでしょ…。
まあ、たしかに会社に勤めてからの出会いで莉子ともそう言った恋愛の話を深くしたことはなかったけれども。
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