仕事が終わったら

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仕事が終わったら

やっと仕事を終えて腕時計を見れば、21時を回っていた。家に着くのは22時前になるのか…。 早く家に帰って凜の飯が食べたい。 さっき、パスタをリクエストしておいたから、もう気分は凜のお手製のパスタだ。凜の作る料理はどれも美味くていくらでも食べられる。 「はー。お腹空いた」 椅子の背もたれに思いっきり寄っかかり、腕を大きく上の伸ばし、伸びをする。今日は珍しくデスクワークだっだから体のあちこちが凝ってしまっていた。 「主任、終わりですか?俺もあと少しで上がるんでこの後飯とかどうですか?」 「あー悪い、先約があるから。また今度な」 「先約って…もしかして彼女とかですか…?」 「じゃあな、お疲れ」 後輩である小田の質問には答えず、営業部フロアから出る。 彼女じゃなくて嫁なのにな。思わず笑みがこぼれてしまう。 会社から出るまでにも何人かに誘われたが、断った。当たり前だろ。凜の手料理よりも美味いものないしな。それに凜と少しでも長くいたいんだから悪いけど、断るよ。そんなことを気づくはずもない誘ってくる奴らは、「悪い」って一言で断る俺に納得いかないみたいだけどな。 そんなことよりも凜のことだ。凜も残業してたみたいだし、家に着くころはちょうど飯が出来上がってる頃かも。凜にメールしておこうか。 TO:凜 ―――――――――――― 今から帰る。何かいるものある?              佑斗 TO:佑 ―――――――――――― お疲れさま。ううん、大丈夫だよ。 気を付けて帰ってきてね。              凜 凜の「お疲れさま」が一番嬉しい。 …早く会いたい。 抱きしめたい。 抱きしめて凜を感じたい。
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