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休みの日は2人で
いつもは休みだったらもう少し遅くまで寝ていたいんだけど、今日はちょっと早起き。
朝食を食べて、歯磨き、スキンケアをしてドレッサーの前へ。
鏡で自分を見つめて、普段使わないようなメイク道具を次々と取り出す。いつものメイクにアイシャドウとマスカラ、チークを肌にそっと乗せる。今日の洋服に合わせて、アイシャドウはベージュブラウン、目尻にスモーキーピンクをほんのり。チークはポンポンとピンクベージュをつけた。マスカラは濃くならないように…。
最後にルージュをつけていく。色はコーラルピンク。この色が一番凜子に似合うと言ってプレゼントしてくれた莉子。
そもそもこんなにしっかり化粧をしたことがなく、佑と付き合うようになってから莉子にスパルタ教育を受けた。今思い出しても、思わず身震いするほど、厳しかった。
なんとかメイクを終え、髪を整えていく。
耳の下で緩くまとめてアップして。
後れ毛も出して。
このうなじを見せつつ後れ毛を出すところが、男はそそられるとか(莉子情報)…よく分からないんだけど。
全てを終え、もう一度クローゼットに備え付けられている全身鏡で最終チェックをした。
「…大丈夫だよね?…変じゃないよね?」
くるくると体を捻って後姿もチェックする。
「クスクス…」
「…?」
寝室の入り口で笑い声が聞こえ、振り返ってみると入り口ドアに寄りかかって腕を組んで笑っている佑がいた。
私服姿の佑もすごく素敵でかっこよくて。白い無地のTシャツにカーディガンを羽織っていてチノパンを着ていた。
「凜、かわいいよ」
白の花柄スカートにパステル調のパープルのリブニットが今日のスタイル。佑に言われると恥ずかしいけど嬉しい…。
頬を染めて下を向いてると、クイッと顎を上に向けられ、佑の顔が近づいてきたと思ったら触れるだけのキスをしてすぐに離れた。
「今はこれだけで我慢する。今日の恰好すごくかわいい。本当は今すぐ抱きしめたいところだけどそれだけじゃ済まなくなりそうだから。…ほら、ちょっと口紅とれちゃったから付け直して。行くぞ」
突然の佑の行動に驚きつつ、ハッと我に返ってルージュをさっとつけた。
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