週末にしたいことなんて、決まってますよ

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週末にしたいことなんて、決まってますよ

※安田視点 真っ赤になって、目をぎゅっとつぶっている坂巻さんを見るのは結構好きだ。 いや、かなり、なのかもしれない。 顎に手を添えたまま、中々先に進まない俺に不安になったのか薄目をを開ける姿を見ていると、何かこみ上げる様な気持ちになる。 愛おしいっていうのはこういうことなのか。 そろりと様子をうかがうみたいにこちらを見る坂巻さんは、恋人になって以降も自分との距離をつかみかねている様に見えた。 オタク特有の、というとまるで自分にオタクの知り合いが沢山いるみたいなので、おかしいのだろう。 けれど、突然近くなりすぎたと思えばまるで自分は愛だの恋だのに関係ありませんと思い込みたい様な態度を坂巻さんは取ることがあった。 男同士で、どんな欲求があるかも知っているし、そもそも彼の描いたエロのほとんどを読んでいるのだ。 なのに、こうやって恐る恐るといった感じでこちらを見られてしまうと、たまらなくなる。 以前一度「こんなに研究してるのに。」と口を滑らせたときには、苦虫を噛みつぶしたような顔をしていた。 「別に自分がされたいことを同人誌に描いてる訳じゃない。」 それからそんなことを言っていたのを思い出して、思わず口角をあげてしまった。 次に進む気配のない俺に、坂巻さんのが一瞬、息を吐いて緊張を解いてしまったのが分かる。 そんな、瞬間を見逃すつもりは無かった。 唇を覆う様に食む。 そのまま舌も入れてしまうと「んぅっ――」というくぐもった声が坂巻さんから聞こえた。 そのまま上あごを舐めあげると、坂巻さんの手が俺の二の腕をつかむ。 そこが弱い部分だということはもう、お互いによく知っている。 大体坂巻さんが先にばててしまうまで執拗に彼の感じる箇所に触れてしまうので、いつも彼は少しばかり嫌がる。 彼曰く、それは恨みがましい視線なのだろうだけど、快感にとろけ始めてしまった表情で睨まれても、情欲を煽られるだけだ。 「えっ、ちょっと待て、もしかして今日スルつもりか?」 「明日も明後日も予定無いですし、逆にどんなつもりだったんですか。」 俺が言うと坂巻さんはあーとかうーとか言葉にならない音を口から出していた。 「『優しく抱いて』って言ってくれたら努力しますよ?」 俺が言うと、坂巻さんは面白そうに笑って「そりゃあ、どんなフラグだよ。」と言った。
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