週末にしたいことなんて、決まってますよ

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フラグにして欲しいという意味だろうか。 俺が思わず見つめ返すと、坂巻さんは居心地が悪そうに視線を逸らす。 それから、おもむろに俺のジャージのゴムの部分をつかむとそのままトランクスごと下にずらした。 「ちょっ、坂巻さん?」 坂巻さんは何も答えない。 「お前勃ってなくても割とでかいんだよな。」 腹立つ。と言いながら露出した部分に唇を寄せた。 ちゅっと一回先端に唇を触れさせてから、そっと舌で舐める。 そのたどたどしさが妙に生々しく感じられて、ドクリと膨らむのを感じる。 坂巻さんは嬉しそうに笑う。 別に坂巻さんなら正直なんでも反応するのだろうけれど、坂巻さんは気をよくしたのか、根元に手を添えるとしごきながら、先端を舐めあげる。 胡坐をかいている俺と、舐めるために四つん這いに近い体勢になっている坂巻さん。 運動不足な所為か細めの腰が揺れているのがたまらない。 意を決したらしい坂巻さんが、口を開けて俺のものを含む。 舌を必死に裏筋に絡め吸い上げるあたりは同じ男だから、感じる部分を心得ている。 思わず、熱い吐息を漏らしてしまうと、坂巻さんが根元付近まで口に入れる。 喉の近くの粘膜がたまらなくて、思わず腰をゆする様に奥に向って突き立ててしまう。 ぐうというくぐもった声が聞こえる。苦しいのだろう。 なのに坂巻さんは口を離そうとしない。その許されている感覚がたまらない。 疑似挿入とでいうように腰を注挿する。それでも必死に舌をおれの起立に絡めてくるのにたまらなくなって思わず坂巻さんの頭に手を伸ばす。 彼の意志では頭を動かせない様に固定して、がぽがぽと音がするくらい腰を動かす。 それでも坂巻さんは、身をよじるなりの拒絶反応を示さない。 せりあがってくる吐精感に身をゆだねる。 その時坂巻さんの頭に手を添えて押さえつける様にしてしまっていることに気が付いたのは、射精時の快感がようやく通り過ぎた後の事だった。 「んんっ――」 坂巻さんはくぐもった声をあげたあとゴクリと俺の吐き出したものを飲み込んだ。 それから、口を離すともう一度しかめっ面をしながら口の中に残っているものを嚥下している。 「別に無理して飲まなくてもいいことは知ってますよね。エロ漫画じゃないんですから。」 「自分でそういうネタ描いといてあれだけど、一々飲まないこと位知ってる。」 ケホケホを咳き込みながら坂巻さんは言う。 「安田が奥まで突っ込むから……って、この話は止めよう。 俺も忘れるからお前も忘れろ。」 「え?忘れられる訳ないじゃないですか。」 この人はまるで睦言ではない様なことをポンポンと言う。 それで萎えるとか、そういうんじゃなくて、坂巻さんらしくて思わず笑う。 「なんだよ。」 うかがう様に坂巻さんに言われ、なんて答えるか悩んだ後「今、すごく挿れたいって感じだからですかね?」と言うと「なんで疑問形なんだよ。」と吐息が触れる距離で笑われた。 「いいぞ。」 坂巻さんは俺の背中に自分の腕をまわす。 ゴクリと唾を飲み込んで、それから彼の事を押し倒す。 すでに完全に勃血上がっているものを坂巻さんの中に挿れる。 暴いた中が喜んで吸い付いてきているのが分かる。 「もしかして俺のを舐めて、そうとう興奮してました?」 聞き流してしまえばいいものを坂巻さんは律儀に固まってしまう。 「ああ、もうほんと坂巻さんはかわいいですね。」 心からの言葉だった。坂巻さんは唇を戦慄かせると何かを言おうとした。 けれどそれはか細い喘ぎ声にしかならない。 ぐずぐずに溶けた様になった中をえぐると、そのたびに坂巻さんはたまらないとでも言いたげな吐息と喘ぎを漏らす。 やっぱり優しくなんてできそうにない。 「済みません。やっぱり我慢できそうにないです。」 「ちょっ、えっ?あっ、ああッ。」 ガツンと腰骨が当たった音がした気がするけれど、もう、そんなことを気にする余裕は無かった。 背中をひっかく指も、いつもの声とは違う喘ぎ声もそれから、のけぞった喉も、乱れた髪の毛も何もかもが自分を煽っている様にしか思えない。 下肢がこれでもない位膨張しているが自分でも分かる。 坂巻さんの目は快楽にドロリと溶けていて、もう俺の事しか考えられていないし見えていないだろう。 二度目の吐精感がせりあがってくるのが分かる。 組み敷かれている彼の声も切羽詰まってきているため、限界も近いのだろう。 もう、二人で快楽をおうこと以外何も考えられなかった。 最奥に切先を埋め込んだ瞬間、視界が白むような快感が突き抜けてそのまま坂巻さんの中に吐精した。 坂巻さんもほぼ同時に達して俺の胸元あたりまでべっとりと精液が付いている。 中だししてしまった精液の感触にも感じているらしく、痙攣するみたいにびくびく震えている姿をみると、征服欲とそれから愛しさがこみ上げる。 「ゴムはつけろよ……。」 半ばかすれた声で坂巻さんが言う。 「孕んじゃいそうですか?」 「……うるさい。」 坂巻さんの返事に最奥に精液をこすりつける様に腰をゆすると、敏感になっているのだろう中が震えて坂巻さんが「あっ。」という名残惜しそうな声をあげた。 だからその後、きつめに睨まれても別にかわいらしいだけだった。 ◆ 余韻に浸って、髪の毛を手ですいているいると坂巻さんのスマートフォンがなる。 電話の着信音が鳴るのは珍しい。 ベッドサイドのスマホをけだるげにたぐり寄せる坂巻さんは、発信者を見るなり「げっ」と嫌そうな声をあげる。 「会社からだ。」 簡潔な説明だった。 大きく息を吐きだした後坂巻さんは通話ボタンをタップした。
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