故郷の景色

2/2
前へ
/2ページ
次へ
** 「もしかして命乞いをしているんじゃないか? 子供だし、助けてやるか?」 「終わらせて差し上げましょう。所詮は我が神を信じない異教の者。逆恨み、恨まれて、後々寝首をかかれてはたまりません」  まだ成人したばかりと思われる青年の問いに、壮年の神官はにこやかな笑顔のまま答えた。 「生の旅路を終わらせ、救ってさしあげるのもまた神の慈悲です」 「そんなもんかねぇ、っと」  そう言いながら、青年は剣を目の前の少女に振り下ろした。 「それに、人間とゴブリンは相容れませんよ」 <了>
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加