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僕は祖母の家にある本を借りて片っ端から読んでいったが、それでも手付かずの本は多くある。僕が読んでいくペースよりも、本が増えていくペースの方が早いのだから仕方がない。
そんな祖母が死んだ。死因は急性心不全。あまりにも唐突な死に、両親も僕も戸惑っている。とにかく一人暮らしだった祖母の家を片付けなければならない。僕たちは休暇を利用して、祖母の家を訪れた。
祖母の家は二階建ての3LDK。一人暮らしには広すぎるくらいの家だが、二階のニ部屋は殆ど本で埋まっている。壁際には本棚が並び、ぎっしりと本が詰められているのだが、入りきれない本が所狭しと床に積み上げてある。
「この大量の本、どうしようか?」
父がため息を吐きながら言う。
「全部古本屋にでも持っていこうかしら。大した金額にはならないだろうけど、捨てるよりマシじゃない?」
母は部屋の中の本を見回しながら言う。
「だけど、こんなに大量の本をどうやって古本屋まで運ぶつもりなんだ?」
「軽トラックでも借りてくればいいじゃない」
「それでも、何往復かしないといけないぞ? それに、積込みだって楽じゃないのに」
楽天的な母に、父は呆れ顔で言った。
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