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本好きな僕としては、これだけの本を全て手放してしまうのは、正直言って勿体無い気がする。読んでしまった本はともかく、まだ読んでいない本は残しておきたいというのが本音だ。
だけど、読んでいない本といっても、ここには数え切れないほどある。それらを全部残しておくだけの余裕がないことも確かだ。少なくとも、ある程度は本を選別する必要がある。
「本はとりあえず僕が整理するから、父さんと母さんは一階を片付けてよ」
僕が提案すると、両親は納得して一階に降りていった。
僕はさっそく一部屋目の整理に取り掛かる。床に積んである本の多くは、比較的新しい本で、購入するのも容易いものばかりだ。それに、僕が自分自身で買って読んだ本も多くある。
僕はダンボールを用意して、一冊一冊確認しながら、不要な本を詰めてゆく。あっという間にダンボールは二箱、三箱と増えてゆく。それでも、僕の前にはまだ山ほど本が残っている。
朝から作業に取り掛かって、ようやく一部屋目の床に積み上げられた本の選別が終わったのは、正午を回った頃だった。できる限り廃棄するように選別したおかげで、残すべき本は少ない。とはいっても、三十冊程度はある。この調子でいけば、ニ部屋分の整理が終わったときには、百冊以上の本を残すことになるかもしれない。
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