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一階から母が僕を呼ぶ声が聞こえたので下りてみると、昼食にサンドウィッチが用意されていた。
「二階の整理は進んでる?」
サンドウィッチにかぶりつく僕に母が尋ねる。
「なかなか進まないよ。とりあえず、一部屋は床の本を整理したけど。とりあえず、いらない本をダンボールに詰めたから、ご飯食べ終わったら古本屋にでも持っていってよ」
「じゃあ、お父さん、よろしくね」
その言葉に、父は仕方なさげに頷いた。
昼食を終えると、僕はダンボールを一階のリビングに下ろし、再び作業を始めた。床に積み上げられた本がなくなった部屋は広々として、さっきまでより圧倒的に作業がしやすい。
僕は二時間ほどかけて、本棚の中の本を選別し、不要な本をダンボールに詰めた。本棚の中には比較的古い本が収められていて、僕がまだ読んでいない本も多くあった。だけど、残したいと思ったものを全て残してはキリがないから、僕は泣く泣く多くの読んでいない本をダンボールに詰めた。
僕は父が戻ってきたのを見計らって、再びダンボールをリビングに運んだ。古本屋から帰ってきた父は疲れ切った顔をしている。
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