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「いいよ、フクちゃん。蛍ちゃんと一緒に帰りな」
「はい!」
オウルは急いで蛍を追いかけ、蛍の左肩に収まる。蛍は笑いながらオウルを迎えてくれる。
「慧さんが帰ってくるまで、うちに来ますか?」
「いいんですか?」
「いいですよ。オウルも一人だと寂しいですよね? 一緒におしゃべりしましょう!」
「はい!」
大きな丸い目をクリクリと動かすと、また蛍が笑う。蛍の笑顔はオウルを幸せにする。
ビルを出て、マンションに向かう。いつもは一気にひとっとびだが、こうやって蛍と一緒に帰るのも、今では当たり前の光景になっていた。
オウルは思う。
ヒーラーが蛍でよかった。ヒーラーだから癒されるのではなく、蛍だから癒されるのだ。
どうしてこんなに好きなのか、オウルはよくわからない。でも、好きなのだ。蛍を見るとつい甘えてしまう。
オウルは蛍の頬に自分の身体を寄せる。すると、蛍がオウルの方を見て、微笑む。それがオウルには嬉しくてたまらない。
空を行けば、一瞬の帰り道。しかし、蛍と一緒の帰り道は、もっともっと続けばいい、そう思うオウルだった。
■番外編 オウルの華麗な?一日 了
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